子供のころ読んだエジソンの伝記の中では、かれは「時計をみるな。」と言っていた。子供のときはその意味はよくわからなかった。大人になってみると、その意味がよくわかる。われわれは、仕事に気が乗らぬときには、終業時刻はまだかと、時計ばっかり見て、働いている振りをする。かれは仕事に熱中して時の立つのも忘れるほどの熱心さをスタッフに求めたのである。
かれは、また『発明のコツは1%のinspirationと99%のperspirationだ」とも言った。遮二無二がんばるうちにインスピレーションがわくのであって、アイデアがわくのを待っていてもダメだといいたかったのだろう。
エジソンはまた、研究所のスタッフに仕事の進み具合を尋ねたときに、いろいろと困難な点をあげて、泣き言をいうスタッフをきらったそうである。苦しくとも知らぬ顔をして、常に「うまくいっています!」という職員でないと機嫌が悪かった。発明は困難なものだから、楽観的でないといけない。(怖い上司ですね)
「世界を変えた発明と特許」には、エジソンがそれまでの電灯の論文を徹底的に集めてから、
研究をはじめたことと、大学の教授と知り合いになって、つねに学問上の新しい動きをつかもうと
していたことが書いてある。
ただ闇雲に試行錯誤をくりかえしたわけでもなさそうだ。
また他人の特許に対抗して、それと同じ機能を別のもので代用して、特許を回避するような
えげつないようなこともしている。ニールス・ボーアにおそろしい質問をして本気で
立ち向かっていくアルベルト・アインシュタインのようだ。
NHKのBS放送で先日、エジソンの番組があった。ふたりの解説の先生が出ておられたが、
番組中のコメントには目新しいことがなく、お二人が本当にエジソンが好きなのか、よくわか
らなかった。
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