2017年5月7日日曜日

2017年1月30日月曜日

273.自動キャラメル販売機


やっと塗装が終わった。自動キャラメル販売機である。十円いれるとキャラメルの箱がでてくる。
キャラメルを売る人がついている。キャラメルの箱が滑り台に並んでいて、代金をいれると、順番に一つずつ落ちてくる
これは昭和34年6月号の「子供の科学」の記事をほとんどそのまま、木を切ったり、真鍮板を折り曲げたりして、部品を作り、組立てたものである。写真をクリックして、記事の最初の部分を読んでご覧なさい。
「子供の科学」巻頭の青写真つき工作記事は、このころの同誌の最も人気のある記事であり、とくに昭和33年から35年ころは、子供ではまず作れない、凝ったものが多かった。昭和36年になるとプラモデルが登場し、木工工作では精巧さにおいて勝負にならなくなる。

自動キャラメル販売機は(キャラメル自動販売機でないことに注意)、光学模型でおなじみの海保洋司先生の設計である。昭和34年には、現在ほど自動販売機が普及していなかった。いわば、未来の機械だったわけである。だから、ロボット人形のついた、夢のある設計になっている。

私はほぼこの設計図のとおり作ったが、困ったことに、キャラメルの箱の寸法がこの記事には書かれていないのであった。この販売機は当時実際に販売されていた10円のキャラメルの箱をそのまま使うようになっている。だからわざわざ箱を作る必要がなく、寸法を書く必要もなかったのである。しかしわたくしは箱から作らなければならなかったから、ない知恵をしぼったのであった。幸い昔20円で売られていたキャラメルが現在も100円で売られていたので、これを買ってきて、中身を食べながら、箱の厚みと横幅を測って、模型用の箱の寸法もそれと同じにした。昔も、20円の箱と10円の箱は厚みと幅が同じで、高さ(中箱が外箱から引き出される方向の外箱の寸法)が違うだけだったのである。今のキャラメルの一粒は以前よりも大きく設計されているようであった。それはともかく、箱の高さはこの模型のキャラメル箱を詰める滑り台の内はばより少し小さくした。海保先生は10円のキャラメルの箱を横倒しにして装填するよう設計していたからである。

この販売機にはエレクトロニクスは一切使用していない、マイコン(PIC 、arduino 、Raspberry pie 、Ichigo jam 、Ankoro manjuhなど)はおろか、IC、トランジスタ、リレー、コンデンサー、抵抗など一切つかっていない。それだけ原始的だが、意外性はあると思う。