2012年7月6日金曜日

230.作業に熱中するということ

プラモデルやレジンキャストにサンドペーパーをかけて整形する作業は、単調で退屈だか、辛抱してやっていると、エンドルフィン(ひとをハイにさせる生体内の化学伝達物質?)が出て、無我の境地になる、と以前書いた。

「アンナ・カレーニナ」を読むと、副主人公のレービンが草刈りをしながら、熱中してハイになる場面が出てくる。働きながらハイになる人物を小説の中で、世界で最初に描いたのはトルストイ先生かもしれない。イワン・デニーソヴィッチもシベリヤの流刑地で酷寒のつらい労働中にハイになる。小学唱歌「村のかじや」は仕事に熱中してハイになる状態を歌っている。
アンブローズ・ビアスの短編に大砲の操作に熱中して、全身から湯気をたてんばかりに、砲弾を発射し続ける砲兵隊・・・彼らは知らずに味方を誤爆していたのだが・・・の話がある。映画「ストレンジラブ博士」では、戦略爆撃機B52の乗員が、ソ連領内に深く侵入しつつ、軽快なマーチの音楽に乗って、次々と原爆投下の操作をなかばやけくそに、なかば楽しみながら、操作手引きにしたがって粛々と進めていく。

大の大人が口笛を吹きながらプラモデルやゴム*砲にサンドペーパーをかけたり、コンパウンドで磨いたりする場面をテレビドラマや小説の中で描いたらどうだろう。これだけ不景気だと熱中するほどの仕事にはなかなかぶつからない。やけくそで趣味に熱中する大人ども・・・・・B52の航空兵を撮影するような皮肉なカメラの視点でみたら、おもしろいかもー。

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