ラチェットというのは、歯車やラックを1方へ1歯だけ送る機構で、通常、レバーを1つの向きへ動かすと、レバーと噛み合った歯車やラックが1つの向きへ1歯送られる。
エスケープメントというのは、やはり歯車やラックを1方へ1歯だけ送る機構であるが、歯車やラックに初めから負荷がかかっていて、歯車やラックはつねに1方へ回転、あるいは直線の一方の向きへ移動しょうとしている点が、ラチェットと違う。エスケープメントはレバーの1往復により、1方向へ1歯だけ移動することが許される機構であり、1歯動いた位置で、それ以上移動しないようにストップがかかる。ストップがかかっているとき、ストップさせられた歯車またはラックとストップさせているもの、(ストッパー)とは、負荷により押し合っているのが特徴である。また、この押し合っている位置が正確に決まっているというのが、エスケープメントの特徴である。通常ストッパーは2つあり、1つのストッパーがはずれて、歯車またはラックが前進し、1定距離進んだところで、もうひとつのストッパーによって停止させられる。
いわゆるソーブレード・シャークフィン方式というのは、ラチェット機構である。また、いわゆる回転翼式というのは、エスケープメントである、と言明して、話を具体的にしょう。
振り子時計で振り子の1往復で歯車を1歯送るのが、もっともポピュラーなエスケープメントの例である。歯車はゼンマイにより1方向へ回転するよう、負荷がかかっている。
ラチェット機構のもっともポピュラーな例を私はここで挙げることができない。もっともポピュラーではないかもしれないが、ラチェットの例を2つ挙げる。ひとつはテニスのネットのロープを張る巻き取り機である。もうひとつは、回転式拳銃の弾倉を回転させる機構である。
テニスネット巻き取り樹においては、つねにネットをゆるませようという負荷が歯車にかかっている。それがゆるまないようにしているのは歯車とストッパーの形状である。これもラチェットと思うが、この場合ストッパーをはずすと、ネットは一気にゆるんでしまい、1歯ずつ送ることはできない。
この点、ラチェットでも、いわゆるソーブレード・シャークフィン方式の場合とちょっと違う。
一方、回転式拳銃の弾倉回転機構においては、(1)引き金の操作により、回転弾倉は1定の角度だけ、ある方向に回転する。(2)この弾倉には1定方向に回転させる負荷がかかっているわけではない。(3)弾倉の回転する方向はレバーと歯車の形状によって決まる。この3点は、いわゆるソーブレード・シャークフィン方式と一致する。したがって、ソーブレード・シャークフィン方式を考える上で、回転式拳銃の弾倉回転機構を参考にすべきと思う。
何を言いたいのか?え、なんだおい。・・・・それについては、もうあとちょっと書けばわかるのだが、
・・・・勿体ぶるほどのこともないのだが。
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