2009年5月12日火曜日

110.鋭意製作中2 + マガジン連発銃


 NG協会(何の略かわかりますね)のガンロッカーにカートリッジ式の金属製の連発銃がアップロードされた。( http://www007.upp.so-net.ne.jp/jrbgsa/index.html からガンロッカーの新しい箱をあけるとこの写真がある。)

 ワタシのマシンの作業は着々と進んでいるが、ヒミツの作業なので舞台裏は公表いたしません。幕間に、久しぶりに分析作業をします。

 この連発銃はユニークなもので、これだけ小さなカートリッジの連発銃はなかった。この銃の作者はアイデアが鋭く、そのアイデアを実現する工作力もある。わたしより総合的に一段上かもしれん。(憮然)

 この連発銃で実現されたことをまとめてみよう。
 (1)カートリッジ式の連発銃であること(世界で2番目。いちばんは第101項で紹介した、米国市販品: 
   desktop repeaterである)

 (2)装填時にひきのばす、小さなカートリッジであること。したがってポケットにいれられる。

 (3)ワンタッチで、シャークフィンが原点に復帰する。

 まず連発銃はマシンガンより難しい。散弾銃はマシンガンよりさらにやさしい。したがってカートリッジ式の連発銃は、ワタシの「Gシャーク」より一段上である。それは後から作ったものだからしょうがない。またとうぜんSILVERFOX社の散弾銃よりも上になるが、ちいさなカートリッジを引き伸ばすというアイデアはSILVERFOX社のほうが先鞭をつけているので、模範としつつ、発展させたと言える。

 ソーブレード&シャークフィン方式の連発銃(orマシンガン)では、撃ち終わったあとで、シャークフィンを原点に復帰させなければならない。発明者のオリジナルでは、シャークフィンに下向きのギザギザをつけ、引き金に連結したラチェットでギザギザを一枚ずつおくり、ラチェットとギザギザの連結が簡単にはずせるようにラチェットを裸にして操作が容易にできるようにしてある。(発明者Hポイント氏に敬意を!)

 拙作(Gシャーク)では連結をはずす操作を銃の外からできるようにした(世界初ですよ)。そのしかけは公表していなかったので、今日まで、そのような機構を作った人はいなかったのだが、ついに現れたわけである。
その機構はどうなっているのか。部品の写真から考察してみよう。

 写真は、連発銃の部品の一部の拡大だが、Aはシャークフィンである。Bはシャークフィンが乗るラダーである。C の左端に上方へ三角形に飛び出しているのは、おそらくラダーBを一こまずつ画面右(銃の後方)へ送るラチェット爪であろう。もうひとつおなじようなラチェット爪を持った、小部品Dがある。なぜおなじようなものが二つもあるのだろう。最後に少し幅の広い部品Eがある。銃の写真をよくみると、銃の右横にスライドがあって、それを後方にずらせると、シャークフィンはバネでひかれたように前方へ復帰する。このスライドは銃の右側面にも見られる。したがってこのスライドは銃の幅より少し広く、銃の右からも左からも操作できるようになっているのだろう、この幅の広い部品といえばEしかない。Eがラチェット爪とラダーの間に滑り込んで、接続を切ると、ラダーは紐で前方に引かれて原点に復帰するのだろう。
左の図で、今ラダー(黒)とラチェット(赤)がかみ合っている。ラチェット爪が画面右へ動くと。ラダーも右へ動く。

 ところが下の図のようにラチェットが左へ動くときには、バネじがけのラチェット爪が沈んで、ラダーとかみ合わず、ラダーは動かない。これを繰り返せばラダーはひとこまずつ右へ送られる。

 ところが。またまたところがである。もしこのラダーに復帰用のバネをつけ、いつも画面左方向に引いておくとする。すると。ラチェットが左方向へ動き出して接続がはずれると、ラチェットは左に動いて原点へ復帰してしまう。(ラチェットが左方向へ動くと、ラダーも追随して左方向へ戻る,というほうが正しい。)ラチェットが同じ場所を左右へ往復運動をすると、ラダーも同じ場所を行ったり来たりする。

これでは引き金の往復運動により、ラダーを一こまずつ右へ送ることができない。
 そこで左のようにラチェット爪を二つにする。爪Aは可動で爪Bは固定である。今Aが右へ向かって動くと。ラダーは右へ向かって動き、爪Bは沈んで、ラダーが右へ動くのを邪魔しない。十分爪Aが右へ動くと爪Bは一こま左の空間へ移動して、バネで立ち上がる。

 ついで爪Aが左へ動くと、爪Bがラダーにひっかかって、ラダーが左に動かないように固定する。ラダーが固定されるため、爪Aは沈んで、ラダー一こま分、左へ移動する。

 こうして爪A、Bの間隔が開いたり縮まったりするたびに、ラダーが一こまずつ右方向に移動する。(爪Aが引き金とともに往復運動するたびにラダーが一こまずつ送られるといってもよい。)

 そしてディスコネクター(青)が右へスライドしてふたつの爪とラダー間の接続を切ると、ラダーはバネにひかれて左方向に復帰するのである。もしディスコネクターがラチェットより右側にあり左にスライドさせたとすれば、ラチェットに当たってしまい、間にはいって接続を切ることはできない。

 これがワタシの推論です。ギザギザを使わずにラダーを使っている点、ラチェット爪を二つ使っている点、まことに立派で、わたしごときの及ぶところではトーテイございません。ソーブレード&シャークフィンにおけるこの革命的改良を(勝手に)ダブルラチェット・システムと呼ぼう。

1 件のコメント:

小児「G」 さんのコメント...

(註)回転式ラチェットでは、逆転防止の爪をつけるのは当たり前のことで、この項で賞賛している連発銃で爪がふたつついているのを、勝手にダブルラチェットと命名したりするのは行き過ぎだった。「ラチェット」をキーワードにしてgoogleの画像検索をかけると、少数だが、逆転防止の爪のついた画像に容易に行きあたる。この連発銃の作者はラチェット装置の基本を知っていて、基本に忠実なだけだった。木製の装置とちがって、金属性のものは、摩擦がすくなく、後戻りしやすいので、そのような配慮が当然、必要である。