2010年3月21日日曜日

176.米国特許探訪16 左右方向連発(6) レボルバー4


1993年の米国特許に、弾倉着脱式のレボルバーがあった。

 この銃のしかけはこうである。

 回転銃身/弾倉の表面には8枚の羽根板が等間隔でとりつけられている。(Fig.6)
 この羽根板に輪ゴムを引っ掛ける。
 羽根板の後部に切り欠き(14)がある。
 回転銃身の支柱にはストップピン13がついており、銃身の回転を止める。
このストップピンはちょうど羽根板の切り欠け部に一致して取り付けられているので、輪ゴムが装填されていないときには銃身の回転を止められないが、輪ゴムを装填すると、ストップピンが輪ゴムの横っ腹にひっかかって、銃身の回転をとめる。
 この回転銃身の内部にはゴムバンドが数条入っていて、模型飛行機のようにゴムを巻き(よじり)、そのほどける力で、銃身は回転しょうとする。(Fig.3)
 回転銃身の前面には穴があいていて、そこにフロントエンドピース3のピンがはまりこんでロックする。はずすことも可。
 引き金をひくと、連動してハンマーピン25が輪ゴムをはずし、発射する。ストップピンにひっかかっていた輪ゴムがなくなったので、銃身は360/8度だけ回転する。(全部打ち終わると、銃身がクルクル回り続けるのでは?)

米国レボルバー特許1~4のまとめ。(ガトリングは含めない)

(1)すべての作品が12時の位置にきた単位銃身から発射する。
(2)引き金に連動したレバーが輪ゴム後端を押し上げて発射する。
(3)「回転銃身の回転力に引き金を引く力を使ったもの」と、「回転銃身の回転力のために別に輪ゴムを用意し、輪ゴムのほどける力を使ったもの」の2種類があった。


 (2)の意味はこうである。いま回転銃身の表面に配置された単位銃身が12時の位置にくると、リヤフックが前方に倒れて輪ゴムを発射するような銃を作ったとする。すると引き金の力で銃身を回転させるだけで、回転に伴って、輪ゴムが発射される。そのような種類の特許ななかったということである。単位銃身が12時の方向に来ただけでは発射は起こらず、さらに引き金をひいてハンマーを操作する必要のあるものばかりであったということである。

 (3)について。
 ソーブレード&シャークフィンのシャークフィン部分は引き金を引く力だけで動く。引き金を引く力の他には動力は用意されていない。コルト45ピースメーカーの回転弾倉も引き金の力だけで動く。このしかけはラチェット機構であって、工作精度がいる。
 一方、回転翼式ゴム鉄*の場合、装填された輪ゴムの張力のため、回転翼には前方に転がる方向の回転力がつねにかかっている。これを引き金を引いて戻すワンストロークで1歯だけ送るわけである。時計の脱進機と同じ。このほうがラチェットよりは工作精度がいらないと思うが、回転力の大きさが問題である。回転翼式ゴム鉄*は、装填数が多くなると一度に2発出たりして、暴発する。回転力が大きすぎると引き金が振動して暴発するのである。

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