2010年6月13日日曜日

200.ロシアの設計2 とりあえず作る

 ハクソーゼン著 「敵対水域」を読むと、ソ連の水中発射ミサイルを積載した原子力潜水艦の初期のものは、液体ロケットしか装備していなかったことがわかる。

 ソ連は固体ロケットの技術が十分でなく、液体ロケットしか使えなかったのだ。その液体燃料とはなんとかヒドララジンというもので、水と混じると発火するのである。水と混じると発火するような燃料のミサイルを水中発射に使ったのである。とりあえず間に合うなら、いつできるかわからない固体ロケットを待つより、ある物を使うしかない。戦争(冷戦)というものは目茶苦茶だ。

 Mig25はベレンコ中尉の亡命により西側がその機体を手に入れたことで有名だが、その大きな空気取り込み口からして、マッハ3で飛べる機体で、おそらくチタン合金でできているだろうと思われていたが、スチール製であった。従来技術による堅実な機体だったわけだ。それでもMig25は航空機開発史に残る飛行機と思う。戦闘機で双垂直尾翼を持ったものはMig25が世界初である。最初写真を見たときは、異様な感じがしたものだった。

 ソ連の一時期の軍用機には次のような特徴があった。(1)燃料の積載量を減らして、性能を上げる。滞空時間を犠牲にする。(2)地上のレーダーの援護下に戦うので、強力なレーダーは積んでいない。(3)相手より多くの機体で戦うように運用する。
 アメリカ軍と同等の性能を持つ機体にしょうとしたら、いつになるかわからない。少し性能が劣っても、とりあえず、そこにあるのが大事という考えである。



0 件のコメント: