2010年6月6日日曜日

198.ロシア式設計

 スペースシャトルが2011年に退役するので国際宇宙 ステーションとの往還はロシアのソユーズロケットだけになるらしい。
 ソユーズロケットは冷戦時代に開発されたもので、それをそのまま使っていて、ローテクだが、技術がこなれていて、信頼性が高いそうだ。
 冷戦時代にアメリカに対抗してつくっていたものだから、ロシアらしさが随所にあらわれているような気がする。
どっちがいいということでなく、違ったやり方をしているのが面白い。

 アメリカが大がねをかけてサターンⅤ型ロケットを作ったころ、ソ連のエースだったロケットである。サターンは直立したまま発射台へ向かうが、ソユーズは寝た状態で移動する。直立したロケットは壮観だが、寝たロケットもちょっとした怪物である。

 アメリカが月に到達するまで、このロケットの概観は秘密だった。





整備塔が周囲に何機もあって、それが準備が整うと、花びらが開くように倒れていくのも大げさなショーのような気がする。上に残っているとき、間違って倒されたら、こわいだろうな。







 発射とともに最後の突っかい棒もゆっくり指が開くように倒れていくのが印象的である。
 大概のロケット発射シーンでは、画面にあるのは、宇宙へ突進するロケットの威容 だけ、つまり主役しかいないのだが、このロケットの場合は、「元気で行ってらっしゃい」と祈る脇役の気持ちが倒れていく整備塔の動きにあらわれているようで好きである。ロシアバレーでプリマドンナがここぞとばかりクライマックスの踊りをおどるとき、周りで控えめにひれ伏すサイドダンサーたちがいるようなのだ。
 機械がこのようにユニークなのは、共産主義の勢いのよいころだったからか。国家プロジェクトがつねに共産主義のプロパガンダを兼ねていたためでしょうか。悪くありません。

これらの写真は下記からぱくってきたものです。元をごらんください。
(1) http://apod.nasa.gov/apod/ap051009.html
(2) http://www.ninfinger.org/models/vault2008/index.html (リストの下から11行目にこの写真あり。)
(3) http://www.daviddarling.info/encyclopedia/S/Soyuz_launch_vehicle.html
(4)  http://www.daviddarling.info/encyclopedia/S/Soyuz_launch_vehicle.html

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