2009年10月31日土曜日

162.針金銃の秘密

第158項で紹介した針金ゴ*鉄砲の仕組みがわかった。愛知県のイベント(SETO品野クラフトフェア)の記事 http://www.aikari.com/owner/acrhives/cat4/cat59/cat71/seto_vol1.php の中に針金ゴ*鉄砲の記事があり、そこに次のように書いてある。

「連発の理屈は、輪ゴムを回転ドラムにひっかけて、一回転させ、それを繰り返し5回おこないます。引き金を一度引くと、ドラムが一回転もどり、次の輪ゴムが装填されます。」

その記事を読んで写真をじっとみると、どうもこれは2枚羽根の回転翼式連発銃で、羽根の1枚が短く、短いほうしか輪ゴムを装填しない、1.5枚羽根ともいうべき機構ではないだろうか。普通の2枚羽根回転翼では1回引き金を引いて戻すと、回転羽根は180度回転するのだが、この針金銃は360度回転する。1枚羽根といってもいいが、羽根は2枚あって、装填用の羽根と制御用の羽根とに機能分化している。

しかけがわかると簡単だ。もしこれを木でつくると、まったく簡単にでき、100円ショップで売っているのよりもみすぼらしいものになるだろう。針金で無造作に作ってあるようだが、ハリガネで作ることこそがなによりむずかしいのだと思う。ちょっとした心理的トリックなのである。これと同じ連発銃を板と竹ひごでつくったら30分もかからないだろう。そんなものに3000円はおろか、500円も費やす気には、なれないだろう。「はりがねで簡単につくってあるから、自分も作ってやれ」と思っても、作るのは非常に難しい。実は針金でつくるから難しく、天才的に見えるだけである。木でつくったら誰にでもできてしまう。

怪人二十面相がA家の宝物をいついつまでに盗み出すと予告する。そして厳重な警備の網をかいくぐって、予告どおり、金庫の中の宝物を盗み出してしまう。そのトリックは、というと・・・・・なんと意外にも、大胆不敵にも、怪盗は何日も前からA家の当主を誘拐し、天才的な変装により、当主になりすまして、犯罪の時刻の直前に金庫から宝物を別の場所に移してしまったのである。屋敷の主人の立場にあれば、そのようなことは、まったく容易である。・・・針金ゴム鉄砲のトリックは、この宝物盗み出しトリックとおなじことだ。厳重な警戒を突破して宝物を盗み出すことよりも、当主になりすまして、何日も家人に気取られずにいることがずっとむずかしいのである。一家の主人がすりかわっていることに気づかぬ家族がいるだろうか!「厳重な警戒を突破して宝物を盗み出す」という問題を「主人とすりかわる」という問題に置き換えただけなのだ。

ほかにも針金銃に関するサイトがあって、その画像をみると、回転翼式の1形態であることにいよいよ確信がもてるだろう。
(2)  http://kodomobook.hamazo.tv/d2008-04.html  2008年4月19日の記事。(静岡)
(3) http://giosblue.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/index.html 11月14日の小樽の記事。
(4) http://schaft.exblog.jp/10405503/ 写真だけ。構造がよくわかる。
(5) http://mrtn.exblog.jp/i2/  2008年6月15日の記事 。名古屋市クリエイターズ・マーケット。
この銃の作者が世田谷ボロ市に姿をあらわしたことについては、複数の証言がある。
(6)http://blog.goo.ne.jp/syoryuweb/e/98fdaf63f357efa2766c0dd51071bab8
(7)http://www.asahi-net.or.jp/~qr2m-skmt/Photo2006/photo156.htm

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