2013年5月6日月曜日

271.12V DC motor

次の作品をぼつぼつ手がけているが、記録するほどのものはない。

以前のマシンガン(まだ塗装できていない)とならべてみると、マシンガンは大作だったなあと思う。
一部塗装しただけで放置したんだった。
 電池を2年間入れたままだったが、液漏れしていなかった。8本使ってる。
TAMIYAのギヤボックスに12Vの
DC motor を無理やり押し込んである。
ギヤボックスのフレームを削って、はめこんである。

2013年4月21日日曜日

270. Escapement and ratchet 5 エスケープメントとラチェット(5)

護謨鉄砲というものは、側面図(lateral view)1枚で大体構造がわかるものである。

ところが回転銃身を一定角度回転させるescapement やratchetの仕組みは、正面図(frontal view)でないとわからない。

銃全体は側面像で、回転装置は正面像で理解しなければならないので、少し複雑になる。

逆転防止の爪の形状を変えて少しコンパクトになった。 I chaged the pawl for stopping reverse rotation, and the ratchet panel became smaller.

動画はこちら。Movie is here.
ratchet wheel
以前に書いたように、このラチェットパネルは銃の後端にパチンコ台のようにくっついている。これがたいへんカッコ悪い。それで試作のたびにラチェットパネルの幅をだんだん小さくする改良を行った。

最後の試作ではラチェット歯車は1枚板でなく、朴の小片6枚をボンドで貼り付けてある。それで十分強度がある。コルトピースメーカーなどのレボルバーのラチェットと同じような形状になっている。この形は爪が前後方向に動くので、左右にはねることがなく、左右のスペースを節約できる。ラチェット歯車の直径を大きく、歯と歯の間隔を大きくできるので、工作精度が悪くても作れる。This type of ratcet is similar to that of revolver as colt "peace maker". Six pieces of wooden tips are attached by cement (polyvinyl acetate).The intensity is enough.


Dohda60 では、この試作とほぼ同じものを作った。ラチェット・ボックスの大きさと銃身後端のラチェット歯車の直径のみを決め、細かい部品の設計はせず、「出たとこ勝負」の現物あわせでつくった。(銀狐工房に見ならった現物あわせよ!!)

最終試作品のラチェットパネルの幅は50mmであり、Dohda60 のratchet box のwidthは44mmである。

これでDohda60のラチェット・メカニズムの紹介はすべて終わった。  Presentation of ratcht mechanism  of Dohda60 is " the end". Thank you.

2013年4月17日水曜日

269.escapement and ratchet 4 エスケープメントとラチェット(4)

internetでratchet を key word として検索すると、http://www.mechanical-toys.com/ratchets.htm  というサイトがあり、左のような画像が閲覧できる。

この図の左上のハンドルを回すと、右下のratchet wheel が断続的に時計方向に回転する。

このとき中央下にある爪pawl は、ratchet wheel の逆転backword movement をstop すると記載されている。

また、escapement を key word に検索すると、"507 mechanical movements" という本の表紙の画像に行きあたった。

507 mechanical movements を検索すると、google が作成したpdf  が downroad できる。(知らずにアマゾンで700円で買ってしまった、馬鹿な私。)

この本の235番目の装置(左の図でページ上中央)にも逆転止めの爪がついている。

これらを参考にラチェットを試作した。ムービーmovie参照。

このころ、2009年に第110項、112項で批評し、勝手に「ダブル・ラチェット」と命名したカセット連発銃は、ラチェット装置の基本に忠実に逆転防止爪をつけただけだということに気がついた。


 NG協会のガンロッカーにおさめられたカセット式連発銃。
第110項で分析した部品図。引き金に連動して ladder (B)を動かす爪pawl Cの他に、前方にもうひとつの爪pawl Dがある。これは,逆行backword movement を 防止prevent する爪なのだ。

この作品の作者はratchet というものをよく理解していて、逆転防止爪をつけたのだと思う。

私は2010年にsaw blade & shark fin 方式の連発銃の試作をし、プラバンごしにthrough plastic plate 部品parts のmovement を観察observe した。すると、shark fin の逆行backword movement が、しばしばfrequently 観察されたobserved. 。この逆行が、不発や2発一度に発射する不具合の原因だと今は思っている。Backword movement of releaser "shark fin" seems to be the cause of  misfire or excess-fire. 私はそのことに3年間気がつかなかった。ratchet wheel を作って、はじめてそのことに気付いた。

ratchet wheel のほうは、この写真のように改良。
画面下のL字型の部品は、引き金のつもり。弾丸が装填されているところをみると、この段階で、連発銃として、発射に成功したのだと思う。たった6発だけど。











ratchet wheel の動きはかくのごとし

2013年4月14日日曜日

268.Auto-reset target 2 (オートリセット・ターゲット2)

 第265項で開発中だったオートマチック・ターゲットは、思ったより難しくて、休止状態。
プロトタイプ2号は写真のごとし。

日本での商品名はオートマチックターゲットになっているが、auto-reset target または auto-reset target propper (自動復帰標的支持台)というほうが正確らしい。

木製の台になったので、見た目はましになった。
この機械がむずかしいのは、標的を立てても、はねかえってきて、また倒れてしまうからである。(もっと本質的なことは、輪ゴムの弾丸の運動エネルギーが余りにも小さいことである。輪ゴムの弾丸があまりにも非力なため、ターゲットを重くすることができない。そのため、起き上がってきた標的が、はねかえって倒れてしまうのだ。エアソフトガンの場合なら標的を重くできるのでもっと簡単である。)

coffin bank コフィン・バンクなどだととっくに成功しているところなのは、コインを箱の中にさらいこむ のは、エントロピーを増大させるので簡単なのだと思う。倒れた標的を立てるのは、失った位置エネルギーを回復させるので難しい。

標的が前方へ倒れているのは、後ろへはねかえりにくししているのである。また、円盤が何枚も重ねてあるのは、安定させるためにだんだん重さをふやしたためである。


動画はこちら。


このしかけはモーター、ギヤボックス、電池、それと自作の円盤スイッチだけで、電子回路は使っていない。この円盤スイッチは昔の子供の科学の工作記事「キャラメル自動販売機」に書かれていたもの。
反対側からみると、円盤スイッチの表面の真鍮板と、これに接触する板ばね接点(二つ)が見える。真鍮板の外縁の黄色い反射を追っていくと、右の方で、真鍮板が欠けているのがわかる。(判りにくいが)。この写真の状態は右の接点が切り欠き部分に入って、接触が切れている(円盤スイッチが切れている)状態である。

この円盤スイッチを使うと、電子回路によらずに、遅延装置が可能になる。しかし円盤スイッチの工作はなかなか微妙だった。もし切り欠き部分が小さいと、モーターの惰性で円盤が回ってしまい、接点は切り欠き部分を通過してしまい、モーターは止まることなく、周り続ける。もし切り欠き部分が広すぎると、ターゲットを立てる「手」が十分離れることができず、次にターゲットが倒れたときに、ターゲットに干渉し、ターゲットが十分倒れず、モーターが金輪際うごかない。

しかも、切り欠き部分の広さは、モーターのトルク、ギヤの減速比、負荷の大きさによって影響をうける。試運転しながら、いちいち部品をとりはずしては、しんちゅう板を切りなおすのはたいへん。

これなら電子回路のほうがましかもしれない。コンデンサー、可変抵抗、トランジスタ、リレーなどを使うと、多少お金はかかっても、遅延回路ができる。少なくとも調整は簡単だ。可変抵抗器をねじまわしでまわすだけだから。





2013年4月7日日曜日

267.escapement and ratchet 3 エスケープメントとラチェット(3)


2、3年前、らせんの外周にリヤフックを植え、輪護謨を装填して、らせんが回転すると レりーザー(爪)がリヤフックの直前で横殴りに輪護謨をひっぱずす仕掛けのマシンガンを作った。

そのような仕掛けのマシンガンでは、モーターによる銃身の回転は連続的なものである。引き金を緩めたとき、発射と発射の中間で自動的に止まるようにはできていない。引き金を緩めるタイミングは射手が読まなければならない。人間は弾丸が発射される間隔を読んで、発射と発射の中間で止まるように引き金を緩めることができる。(撃つのをやめたのにちょっと遅れて弾丸がぴょんと出ることがある。これはふせげない。ご愛嬌というところ。)

このようなマシンガンで、単射もできるようにしょうとすると、エレクトロニクスの技術が必要だろう。じつは多少勉強しているのだが、死ぬまでに技術が身に付く保障がなかった。

そこで機械的に一回引き金を引けば、1発ぶんの角度だけ銃身が回転するしかけをつくろうと考えた。それでも十分難しく、長い間取りかかる自信がなかった。


 それで取りあえず簡単な試作品を作って、うまくいったら本作品にかかろうと考えた。「困難を分散せよ」というわけである。

らせんをつくるのは大変なので、円盤の周囲にたった6枚しかリヤフックのないものを作った。

リヤフックは回転方向の反対の向きに、「風になびく」ように傾いている。

はずれやすいように傾きを強く、作った。(少しでも工夫することが成功につながるかもしれない、と思っている)


歯車を1歯ずつ、引き金の1往復に応じて動かす機構にはラチェットとエスケープメントがあるわけだが、ワタシはラチェットには自信がなかったので、エスケープメントにした。

写真は位置関係がわかりにくいが、銃の後面である。部品の動きがわかるように(写真をとるのが主目的ではない)、プラバンをつかっている。回転翼式連発銃の回転面を90度変えたものである。(ふつう回転翼式連発銃では、回転翼の回転面は人体をたてに二つに割る平面であるが、これは人間の顔の面に平行な平面である。)
6枚羽根。

引き金は銃の右から左に引くことになる。輪護謨で右へ引っ張っている。引き金レバーの下三分の一くらいのところに窓があり、そこへドライバーを突っ込んで引き金を操作していた。プラバンがこの写真ではわかりにくい。

この試作銃は最後部にパチンコ台を背負ったような形をしており、試作を重ねて、左右の幅は次第にせまくなったが、「Dohda60」にも多少その傾向が残ってる。

 試作銃全体の外観はこんなもの。サランラップの円筒を銃身に使っている。この中に糸ゴムの束がはいっている。

銃の先端に輪ゴムを巻くハンドルが見える。ハンドルを時計と反対方向にまわして糸ゴムをねじる。

銃身と糸ゴムの容器を兼ねたのだが、どうも失敗だったようだ。糸ゴムも少なかったのかも。
結局エスケープメントはうまくいかなかったのであります。この項の結論はそういうことである。

輪ゴムがはずれるほど回転力が強くなかった。レりーザーに輪護謨が引っかかったきりとまってしまった。

それで小児Gはあきらめてしまって、「エスケープメント作戦」はやめ、第2作戦「ラチェット」にきりかえた。別にもうひとつ選択肢があるとき、現在の方針でもう少しねばるより、新しいほうへ行ってしまう。うまくいかないとイヤになるので。

2013年3月22日金曜日

266.60running fire revolver "Dohda60" 六十連発レボルバー


以前に作ったマシンガンのダウンサイジング版。レボルバー。らせん1周にリヤフック6個が植わっている。引き金を引くとラチェット装置によって回転銃身が60度回転して1発発射する。レリーザーがらせんの前面に押されて、次第に前方へ移動するのは、回転式マシンガンと同じ。連発銃はマシンガンより難しいものなので、規模は小さいが、マシンガンより技術的には苦労している。画像をクリックすると拡大する。黒いタドンみたいな塗装が多いので、ちょっと目先を変えてみた。

ムービーはこちら。60連発がどんなものかわかる。



2年前のマガジン式ハンドガンよりも銃身長は長い約40cm)。まさかこんな大きい拳銃をまた作ろうとは思わなかった。

後ろから見ると左右不対称。銃の左側面から狙えるようにラチェットボックスの一部をカットしてある。勝手にネーミングする。(click to enlarge)

残念ながらブローバックはしない。レボルバーだから。レボルバーだがファニングはできない。撃鉄がないので。(ダブル・アクションなので、というべきか。)良く似たことはできるが・・・・。(左手の手の平で回転銃身をこすり上げるように、順方向へ回転させると発射する。)ロシアン・ルーレットもできない。弾倉(銃身)の回転即発射となる。自動排莢はしない。レボルバーだから。発射音(バキューン)はしない。セミフル切り替えもできまへん。フルオートだめ。できるのは連発だけ。シンプルでしょう。

(TVドラマ「まほろ駅前番外地」にガンマニアのへんなおじさんが出てくる。「銃があるんなら、あれしょうよ。しらないか。クリストファー・ウォーケンだよ。」といってラッシャン・ルーレットをしたがる。)

2013年3月13日水曜日

265・オートマチック・ターゲット開発中

 most useless machine やcoffin bank のしかけを応用してオートマチック・ターゲットを作っている。参考にしたのは、古い「子供の科学」の工作記事(キャラメル自動販売機)とMake日本語版No.12(most useless machineの記事)とミステリー・バンクに関するWEBの記事(模型探偵団)。
作りかけのみすぼらしい画像で失礼ですが。


このとおり、モーターとギヤボックスとスイッチだけで電子回路は使っていない。(市販のcoffin bankやネコさらいこみ貯金箱や自動復帰標的オートマチックターゲットも多分電子回路は使っていないだろう)

動画はこちら。

2013年2月10日日曜日

264.ミステリー・バンクが自作されている(DIY misterious coin bank)

ミステリー・バンクを自作した人がいる。(http://www.youtube.com/watch?v=2v4HTu8apgQ )「もう今では市販されていないので、自作した」と書いてある。ネコがさらいこむタイプのなら市販されているのだけれど。市販品を解剖してみないと、なかなかこのしかけを自分ではおもいつかないだろう。1個は市販の現物を持っているんじゃないかと邪推する。
 それにしても、自作するという心がけは大したものです。日本人は、もう消費者マインドになっているので、買うことばっかり考えているが、自分で作り上げる精神は貴重だ。工作も上手な感じだ。骨ばった手はプラモデルの流用だろうか。自作だろうか。箱は100円ショップの箱にしては、深くて、ちょうどいい。

2013年1月31日木曜日

263.グラハム・ベルがイライシャ・グレイから電話のアイデアを盗んだと考えられる14の理由

ベルは研究ノートの電話実験の記載をグレイの特許権保護願いの書類を見てから書いた疑いがある。
1.ベルの研究ノートの電話のスケッチがイライシャ・グレイの特許権保護願いの書類にかかれたものと酷似している。
2.ベルの研究ノートに電話のスケッチと実験結果が記載されたのは、ベルの特許の申請書類が提出された日(同日にグレイの申請がおこなわれた)よりあとである。そして特許がおりたあとである。
3.ベルの研究ノートの記載の仕方をみると、音の共鳴現象を利用した、ベルの名付けるところの「調和電信」という多重電信の方法について、一歩一歩、条件を少しずつ変えて、システマチックに研究をすすめており、電話のアイデアの記載は、それまでなく、唐突である。

特許庁の役人が買収されて、ベルに便宜をはかった疑いがある。
4.イライシャ・グレイの特許権保護願いとベルの特許権請求とで、クレームの範囲が重なるため、通常なら審査会が行われるはずのものが結局行われていない。
5.ベルの申請の時刻とイライシャ・グレイの申請の時刻は、正確に記録されていないにもかかわらず、ベルが先だとして、ベルの方の特許が認められている。
6.ベルの特許申請当時、発明品の現物ないし模型の提出が必要だったのに提出された様子がない。
7.特許庁の役人が、「買収されて、ベルに便宜を図った」ことを、裁判でベルが勝利したのちに告白した。
8.ベルがグレイへの手紙の中で、非公開のはずのグレイの申請の内容を知っていたことを認めた記載をしている。
9.特許庁の役人が、「普段世話になっていた、特許事務所の弁護士にいわれて、ベルにグレイの申請書類を内緒で見せた」ことを告白した。

ベルの特許書類に不審な点がある
10.ベルの特許書類にはベルのノートに記載された最初の電話の実験の絵がない。別の構造の、より機能の劣った、送話器が電磁石式の電話の絵しかない。特許書類とノートの内容が一致していない。
11.ベルの特許書類のクレームの部分には液体を使った可変抵抗の概念が書かれているが、これは書類の余白に鉛筆で書き足されている。しかも十分書き足せるよう、全体を右に寄せて書き直している。書き足したクレームと図が一致していない。
12.クレームの内容は針-酸システムを含むように解釈が可能だが、具体的な記載がない。
13.アメリカの特許より前にイギリスにも特許書類を提出する予定で、人に書類を渡していたが、その書類には、電話のクレームの書き込みがない。ベルの証言のとおりの日に書き込みがされたのなら、当然書き込まれていなければならないのに。したがって、クレームはもっとあとから書き足された疑いがある。

ベルの行動に不審な点がある。
13.フィラデルフィアの博覧会には、機能の劣ったタイプの電話しか出品していない。実際に針-酸式の電話実験に成功しているのに。それはグレイも見に来ることがわかっていたので、機能のすぐれた針-酸式の電話を出してトラブルとなるのを避けたと考えられる。
14.ベルが針-酸式の電話と電磁石式の電話のどちらを先に発明していたのか。
 もし針-酸式の電話を先に発明していたのだったら、(1)ノートの記載は申請の前の日付でなければならないし、(2)特許申請の書類の図はノートと同じような針-酸式でなければならないし、(3)クレームは余白でなく、堂々と最初から記載されなければならない。(4)博覧会のデモは、グレイとトラブルになろうとなるまいと、針-酸式でなければならない。そして、グレイと実験成功の日がどちらが先かで争わなければならない。(1)~(4)のいずれもベルはしていない。ということはベルは針-酸式の電話を発明はしていないと考えざるを得ない。
 また、もし電磁石式送話器による電話で、人の声の内容がわかる程度のものを申請の時期に開発していたのだったら、(1)ノートの記載は申請の前に電磁石式の実験に成功したという内容のものになるはずで、(2)特許のクレームには、電磁石が接点を調整すれば可変抵抗器として機能し、送話器として使えるという内容を堂々と(余白でなく)記載すべきだし、(3)電話発明の記念日に、針-酸式の実験を再現したりすべきでない。あくまで電磁石式の電話の実験が、グレイの針-酸式より前であるということを、特許局の審査会の席で争うべきだろう。この(1)~(3)もベルはしていない。したがって、ベルはグレイの申請より前に電磁石式の電話実験に十分には成功してはいなかったのだろうと思わざるを得ない。
 ベルがグレイの申請よりも先に電話を発明していたというなら、「針-酸式の電話と電磁石式の電話のどちらを先に発明していたのか」ということをはっきりさせるべきだと思うが、ベルの伝記をよんでもすっきりしない。彼自身はっきりいっていないのか(かれが「あいまい戦術」をとったのか)、かれの伝記作者がはっきり言っていないのか、どっちかだ。
 

2013年1月24日木曜日

262.ベルは本当に電話の発明者か

「グラハム・ベル 空白の12日間」(セス・シュルマン著)という本がある。私はこれを読んで、著者の主張に共鳴したので、もはや客観的にこの問題(ベルは本当に電話の発明者か)を論ずることはできない。しかしこの本のとおりとするなら、発明、発見をめぐるスキャンダルとしては超弩級のものだろう。

空白の12日間というのは、ベルの研究日誌に12日間の空白があり、その間、ベルはワシントンDCに特許書類の申請に行っていたのである。ワシントンDCから帰って再開した実験の最初に、ベルは全くそれまでと違った実験を行い、一発で電話の実験に成功する。それはイライシャ・グレイが、(発明特許ではなく)アイデア登録(正式名称は発明特許権保護願い)の形でベルの特許申請と同じ日に申請したのと、まったくおなじ方法によるものであった。ベルのノートにあるアイデアスケッチもグレイのものと、偶然とは思えないくらい似ている。すなわち、特許庁の役人が腐敗していた当時、ベルはグレイの申請を役人を買収して、盗み見、それを自分の多重電信の申請書の余白に書き込んだ・・・・・即ちベルはグレイのアイデアを盗用したと著者は主張しているのである。グレイは自分の書類を業者に頼んで清書させた。そのときに情報がもれ、ベルは義理の父親の助けで、グレイのアイデアも申請の日もあらかじめ知ることができたということである。

(発明特許権保護願いとは、まだアイデアだけで、実物のできていない発明を、アイデアだけ登録申請し、もしそれが認められれば、1年以内に実物が完成するよう努力する。もし1年以内に発明が完成すれば、自動的に特許として認めるという制度で、当時のアメリカにあり、現在はない制度である。)

百年以上も前のことなので、立証は難しい。電話の発明に関する裁判はベルの勝利で決着がついている。だから議論はやめよう。

しかし、ひとつだけは言っておきたい。「電話の発明者はグラハム・ベルであり、イライシャ・グレイは特許申請の時刻がベルより2時間遅れたために涙をのんだ」という世間に流布された俗説は、おかしい。なぜなら、アメリカの特許制度ははじまってこのかた、ずっと先発明主義であり、先願主義でない。申請したのが遅くとも、研究ノートなどによって、先にそのアイデアを思いついていたことが立証されれば、さきに思いついたものの特許となる。だから、アメリカの学生は自分の研究データに教授のサインをもらおうとする。自分の成果を記載したノートの証人になってもらうのである。
ベルの申請がグレイより2時間早かったからベルが発明者と認められたということは、アメリカの特許制度が先発明主義であるということと矛盾するではないか。

もしあなたが大学生であって、大学の講義で、上に述べた俗説をたとえば教授先生の口からきいたならば、すかさずアメリカ特許制度との矛盾を指摘し、その説明を求めたらよい。

しかしその前にセス・シュルマンの本を一度読むべきだ。そしてグラハム・ベルの伝記の決定版として、電話の発明者はベルであるとする書物の代表として、ロバート・V・ブルース著「孤独の克服ーグラハム・ベルの生涯」も読まなければならない。(片方だけだと片手落ちになる。)

ベルとグレイのクレームの内容が重なるため、特許庁長官はどちらの考案が先かの審議を行うとベルに通告したが、ベルの代理人が、「書類の受付時刻がベルの方が早いので調査してほしい」と主張すると、ベルの受付が帳簿上早いことが認められ、審議することなく、ベルの特許があっさり認められてしまった。これがのちに何年にもわたり、泥沼となる裁判のきっかけであった。(アメリカは先発明主義であるから、申請の書類は、その日のカゴの中へ、順番に頓着することなく入れられているので、本来帳簿上の順序のあとさきは意味がない。ベルの代理人は、ベルの書類を手持ちで持ち込み、ただちに受付手続きをしてくれるよう、窓口で異例の要求をした。したがってグレイの書類が先にカゴにはいったにしても、帳簿上の受付順はベルが先になった。ベルの代理人が受付順を調べるように特許庁長官に請願したとき、彼らがベルのほうが先であると確信していたのは、そのような理由による。)

ベルに特許がおりた日は、ベルの研究日誌に電話実験の成功が記録された日より以前である。グレイの「アイデア登録」(発明特許権保護願い)申請の日はベルの実験の日よりも以前で、ベルの特許が降りた日より以前である。しかしこの「アイデア登録」(発明特許権保護願い)というものは、実物ができていなくても申請はできるので、認められたにしても「特許」よりは格が下である。

まだ実験もしていない考案が特許として認められてよいのだろうか。しかしグレイも「特許」でなく、
「アイデア登録」(発明特許権保護願い)であるからには、まだ実験もしていないと考えられる。

ベルの特許が認められた当時の特許審議官がのちにベルの代理人に買収されていたと告白している。しかし彼はアル中であり、その前にその反対の証言を裁判でしている。したがって、そのどちらの証言も信頼するに足りないとされている。

電話の発明の優先権をめぐる話はこのように複雑で、スッキリしない。グラハム・ベルを電話の発明者として賞賛する役はごめんこうむりたいと思う。他の人がベルを賞賛するのは自由だが。

少なくともベルが一時期、必死になって電話の実験をしたことは確かである。たとえ、グレイの申請をカンニングしたあとであっても。そして研究の成果が上がるときというものは、その当時の時代のもろもろの状況が、発明が成就するような状態になっていて、発明者の登場を待っているばかりなので、他人のマネからスタートしたものであっても、勝利を掴むことがありうるのだろう。グレイは多重電信こそが重要と考えていた。電話については、その重要性にきづかなかったのかもしれない。
ベルには電話しかなかった。万国博覧会などでデモンストレーションを続けたのはベルである。

発明や研究をめぐる悲劇・喜劇というものは、特許制度や、賞の制度の欠点による。その発明に大なり小なり貢献した人々が多数あるのに、(そのような状況が発明を生むのに)その栄誉はごく少数の人間にしか与えられない。ノーベル賞はひとつの業績にたいし3人しか与えられない。だから、4人目であるために賞をもらえなかった優れたひとが大勢いるわけである。発明にたいする特許はたった一人にしか与えられない。だから、その発明に直接・間接に寄与した人たちのすべてが満足するようにはとてもいかないのは当然だろう。

2013年1月16日水曜日

261.ga*li*g ru**er ba*ds g*n(ガ*リング・ラ*ーバ*ズ・*ン)

Youtube にga*li*g ru**er ba*ds g*n(ガ*リング・ラ*ーバ*ズ・*ンという動画がある。これも工学部か高専の学生さんの作品でないかと思う。この作品のすごいところは、輪護謨マ*ンガンの動力が護謨ひもということである。
木製ギヤを自作し、やりとげている工作力は大したものだと思う。

動力としての糸ゴムの特徴は瞬間的に大量のエネルギーを放出できるということであって、欠点は持続性に欠けるということである。長い時間動作させることは糸ゴム動力には苦手である。まだしもましな使い方というのは、糸ゴムの束をねじっておいて、ねじりが元へ戻るときにそれを動力とするやり方である。これがいちばん持続性がある。私たちが幼少時に作った竹ひご飛行機はねじった糸ゴムを動力としていた。そのほうがプロペラのまわる時間が長い。

糸ゴムを動力とした紙製のロボットの模型というのがあったが、これはロボットがコマネズミのようにせわしなく走りまわるものであった。電池とモーターによるロボット模型のほうがよっぽどロボットらしかった。

またねじった糸ゴムが元にもどる力というものは、トルクがないのである。持続性をもたせれば持たせるほど、トルクがなくなる。

しかし電池とモーターを使うのに比べて、糸ゴムのほうが簡素である。簡素なものには、大仕掛けなものに比べて、良いところもある。このガトリングガンは、歯車でトルクを倍増させ、それによって持続時間を犠牲にしながら、かろうじて、全弾発射できるだけの持続時間は達成しているのがすばらしい。