2013年1月31日木曜日

263.グラハム・ベルがイライシャ・グレイから電話のアイデアを盗んだと考えられる14の理由

ベルは研究ノートの電話実験の記載をグレイの特許権保護願いの書類を見てから書いた疑いがある。
1.ベルの研究ノートの電話のスケッチがイライシャ・グレイの特許権保護願いの書類にかかれたものと酷似している。
2.ベルの研究ノートに電話のスケッチと実験結果が記載されたのは、ベルの特許の申請書類が提出された日(同日にグレイの申請がおこなわれた)よりあとである。そして特許がおりたあとである。
3.ベルの研究ノートの記載の仕方をみると、音の共鳴現象を利用した、ベルの名付けるところの「調和電信」という多重電信の方法について、一歩一歩、条件を少しずつ変えて、システマチックに研究をすすめており、電話のアイデアの記載は、それまでなく、唐突である。

特許庁の役人が買収されて、ベルに便宜をはかった疑いがある。
4.イライシャ・グレイの特許権保護願いとベルの特許権請求とで、クレームの範囲が重なるため、通常なら審査会が行われるはずのものが結局行われていない。
5.ベルの申請の時刻とイライシャ・グレイの申請の時刻は、正確に記録されていないにもかかわらず、ベルが先だとして、ベルの方の特許が認められている。
6.ベルの特許申請当時、発明品の現物ないし模型の提出が必要だったのに提出された様子がない。
7.特許庁の役人が、「買収されて、ベルに便宜を図った」ことを、裁判でベルが勝利したのちに告白した。
8.ベルがグレイへの手紙の中で、非公開のはずのグレイの申請の内容を知っていたことを認めた記載をしている。
9.特許庁の役人が、「普段世話になっていた、特許事務所の弁護士にいわれて、ベルにグレイの申請書類を内緒で見せた」ことを告白した。

ベルの特許書類に不審な点がある
10.ベルの特許書類にはベルのノートに記載された最初の電話の実験の絵がない。別の構造の、より機能の劣った、送話器が電磁石式の電話の絵しかない。特許書類とノートの内容が一致していない。
11.ベルの特許書類のクレームの部分には液体を使った可変抵抗の概念が書かれているが、これは書類の余白に鉛筆で書き足されている。しかも十分書き足せるよう、全体を右に寄せて書き直している。書き足したクレームと図が一致していない。
12.クレームの内容は針-酸システムを含むように解釈が可能だが、具体的な記載がない。
13.アメリカの特許より前にイギリスにも特許書類を提出する予定で、人に書類を渡していたが、その書類には、電話のクレームの書き込みがない。ベルの証言のとおりの日に書き込みがされたのなら、当然書き込まれていなければならないのに。したがって、クレームはもっとあとから書き足された疑いがある。

ベルの行動に不審な点がある。
13.フィラデルフィアの博覧会には、機能の劣ったタイプの電話しか出品していない。実際に針-酸式の電話実験に成功しているのに。それはグレイも見に来ることがわかっていたので、機能のすぐれた針-酸式の電話を出してトラブルとなるのを避けたと考えられる。
14.ベルが針-酸式の電話と電磁石式の電話のどちらを先に発明していたのか。
 もし針-酸式の電話を先に発明していたのだったら、(1)ノートの記載は申請の前の日付でなければならないし、(2)特許申請の書類の図はノートと同じような針-酸式でなければならないし、(3)クレームは余白でなく、堂々と最初から記載されなければならない。(4)博覧会のデモは、グレイとトラブルになろうとなるまいと、針-酸式でなければならない。そして、グレイと実験成功の日がどちらが先かで争わなければならない。(1)~(4)のいずれもベルはしていない。ということはベルは針-酸式の電話を発明はしていないと考えざるを得ない。
 また、もし電磁石式送話器による電話で、人の声の内容がわかる程度のものを申請の時期に開発していたのだったら、(1)ノートの記載は申請の前に電磁石式の実験に成功したという内容のものになるはずで、(2)特許のクレームには、電磁石が接点を調整すれば可変抵抗器として機能し、送話器として使えるという内容を堂々と(余白でなく)記載すべきだし、(3)電話発明の記念日に、針-酸式の実験を再現したりすべきでない。あくまで電磁石式の電話の実験が、グレイの針-酸式より前であるということを、特許局の審査会の席で争うべきだろう。この(1)~(3)もベルはしていない。したがって、ベルはグレイの申請より前に電磁石式の電話実験に十分には成功してはいなかったのだろうと思わざるを得ない。
 ベルがグレイの申請よりも先に電話を発明していたというなら、「針-酸式の電話と電磁石式の電話のどちらを先に発明していたのか」ということをはっきりさせるべきだと思うが、ベルの伝記をよんでもすっきりしない。彼自身はっきりいっていないのか(かれが「あいまい戦術」をとったのか)、かれの伝記作者がはっきり言っていないのか、どっちかだ。
 

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