垂直尾翼の形というものは飛行機の性能に関係がなく、設計者が自由にデザインできるのだそうだ。現代の戦闘機の形が似てくるのは、双発エンジンを左右に配置し、ひらべったい機体の上面で垂直尾翼の効きをよくするためには、双垂直尾翼にしなければならない、というふうに、要求される性能の機体を手に入る主要部品で作るとなると、可能な形態が限られてくるからだ。これにたいし、垂直尾翼の形はレシプロエンジンの時代から、比較的自由にデザインできるらしい。
したがってロシアの戦闘機は垂直尾翼の先端を斜めに切り欠いたものを、共通に使って、自国製であることをアッピールしている。アメリカは絶対この形にはしない。
絵の真贋を鑑定するとき、人物画だと、耳を見るのだそうである。人物の目鼻口はモデルによって異なるが、耳は人物の顔の特徴とは考えられていないので、画家はやや「流して」かく。だから、画家の個性がよく出るのだそうだ。モデルが違っても、耳の書き方は同じということがあるらしい。
ピストルでは、用心鉄の形などは、銃の性能には関係がない。どんなかたちであろうとどうでもよい。だから逆にメーカーの個性が出やすいと思われる。したがってメーカーは、自社製の銃の用心鉄の形に共通性を持たせて、ブランドであることを強調しているのではないか。
上の写真はどこの会社のピストルかというと・・・・・・・・これはベレッタm92とm1934である。楕円形の美しいかたちをしている。m1934はおそらくブローニングの影響でだろうが、m92でもそれを守っている。
ではつぎは?ひとつは拳銃でなく、サブマシンガンだが。
これらは、前から、ヘッケラー&コッホのUSP、P7、MP5である。ベレッタに比べて、無骨で、デザインなどないように見えるが、そうでない(と思う)。とくに中指の当たる、後方の付け根に共通点がある。
次の画像の左側はS&Wのm439である。こんなふうに用心鉄の前の方を、あごをしゃくるみたいに持ち上げたオートマチックは他にないので、銃の性能はともかく、一目見てわかるモデルになっている。この「あごのしゃくり」はS&Wのレボルバー(下の右はM29)を連想させるように作ってあるのだろう。
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