2013年4月21日日曜日

270. Escapement and ratchet 5 エスケープメントとラチェット(5)

護謨鉄砲というものは、側面図(lateral view)1枚で大体構造がわかるものである。

ところが回転銃身を一定角度回転させるescapement やratchetの仕組みは、正面図(frontal view)でないとわからない。

銃全体は側面像で、回転装置は正面像で理解しなければならないので、少し複雑になる。

逆転防止の爪の形状を変えて少しコンパクトになった。 I chaged the pawl for stopping reverse rotation, and the ratchet panel became smaller.

動画はこちら。Movie is here.
ratchet wheel
以前に書いたように、このラチェットパネルは銃の後端にパチンコ台のようにくっついている。これがたいへんカッコ悪い。それで試作のたびにラチェットパネルの幅をだんだん小さくする改良を行った。

最後の試作ではラチェット歯車は1枚板でなく、朴の小片6枚をボンドで貼り付けてある。それで十分強度がある。コルトピースメーカーなどのレボルバーのラチェットと同じような形状になっている。この形は爪が前後方向に動くので、左右にはねることがなく、左右のスペースを節約できる。ラチェット歯車の直径を大きく、歯と歯の間隔を大きくできるので、工作精度が悪くても作れる。This type of ratcet is similar to that of revolver as colt "peace maker". Six pieces of wooden tips are attached by cement (polyvinyl acetate).The intensity is enough.


Dohda60 では、この試作とほぼ同じものを作った。ラチェット・ボックスの大きさと銃身後端のラチェット歯車の直径のみを決め、細かい部品の設計はせず、「出たとこ勝負」の現物あわせでつくった。(銀狐工房に見ならった現物あわせよ!!)

最終試作品のラチェットパネルの幅は50mmであり、Dohda60 のratchet box のwidthは44mmである。

これでDohda60のラチェット・メカニズムの紹介はすべて終わった。  Presentation of ratcht mechanism  of Dohda60 is " the end". Thank you.

2013年4月17日水曜日

269.escapement and ratchet 4 エスケープメントとラチェット(4)

internetでratchet を key word として検索すると、http://www.mechanical-toys.com/ratchets.htm  というサイトがあり、左のような画像が閲覧できる。

この図の左上のハンドルを回すと、右下のratchet wheel が断続的に時計方向に回転する。

このとき中央下にある爪pawl は、ratchet wheel の逆転backword movement をstop すると記載されている。

また、escapement を key word に検索すると、"507 mechanical movements" という本の表紙の画像に行きあたった。

507 mechanical movements を検索すると、google が作成したpdf  が downroad できる。(知らずにアマゾンで700円で買ってしまった、馬鹿な私。)

この本の235番目の装置(左の図でページ上中央)にも逆転止めの爪がついている。

これらを参考にラチェットを試作した。ムービーmovie参照。

このころ、2009年に第110項、112項で批評し、勝手に「ダブル・ラチェット」と命名したカセット連発銃は、ラチェット装置の基本に忠実に逆転防止爪をつけただけだということに気がついた。


 NG協会のガンロッカーにおさめられたカセット式連発銃。
第110項で分析した部品図。引き金に連動して ladder (B)を動かす爪pawl Cの他に、前方にもうひとつの爪pawl Dがある。これは,逆行backword movement を 防止prevent する爪なのだ。

この作品の作者はratchet というものをよく理解していて、逆転防止爪をつけたのだと思う。

私は2010年にsaw blade & shark fin 方式の連発銃の試作をし、プラバンごしにthrough plastic plate 部品parts のmovement を観察observe した。すると、shark fin の逆行backword movement が、しばしばfrequently 観察されたobserved. 。この逆行が、不発や2発一度に発射する不具合の原因だと今は思っている。Backword movement of releaser "shark fin" seems to be the cause of  misfire or excess-fire. 私はそのことに3年間気がつかなかった。ratchet wheel を作って、はじめてそのことに気付いた。

ratchet wheel のほうは、この写真のように改良。
画面下のL字型の部品は、引き金のつもり。弾丸が装填されているところをみると、この段階で、連発銃として、発射に成功したのだと思う。たった6発だけど。











ratchet wheel の動きはかくのごとし

2013年4月14日日曜日

268.Auto-reset target 2 (オートリセット・ターゲット2)

 第265項で開発中だったオートマチック・ターゲットは、思ったより難しくて、休止状態。
プロトタイプ2号は写真のごとし。

日本での商品名はオートマチックターゲットになっているが、auto-reset target または auto-reset target propper (自動復帰標的支持台)というほうが正確らしい。

木製の台になったので、見た目はましになった。
この機械がむずかしいのは、標的を立てても、はねかえってきて、また倒れてしまうからである。(もっと本質的なことは、輪ゴムの弾丸の運動エネルギーが余りにも小さいことである。輪ゴムの弾丸があまりにも非力なため、ターゲットを重くすることができない。そのため、起き上がってきた標的が、はねかえって倒れてしまうのだ。エアソフトガンの場合なら標的を重くできるのでもっと簡単である。)

coffin bank コフィン・バンクなどだととっくに成功しているところなのは、コインを箱の中にさらいこむ のは、エントロピーを増大させるので簡単なのだと思う。倒れた標的を立てるのは、失った位置エネルギーを回復させるので難しい。

標的が前方へ倒れているのは、後ろへはねかえりにくししているのである。また、円盤が何枚も重ねてあるのは、安定させるためにだんだん重さをふやしたためである。


動画はこちら。


このしかけはモーター、ギヤボックス、電池、それと自作の円盤スイッチだけで、電子回路は使っていない。この円盤スイッチは昔の子供の科学の工作記事「キャラメル自動販売機」に書かれていたもの。
反対側からみると、円盤スイッチの表面の真鍮板と、これに接触する板ばね接点(二つ)が見える。真鍮板の外縁の黄色い反射を追っていくと、右の方で、真鍮板が欠けているのがわかる。(判りにくいが)。この写真の状態は右の接点が切り欠き部分に入って、接触が切れている(円盤スイッチが切れている)状態である。

この円盤スイッチを使うと、電子回路によらずに、遅延装置が可能になる。しかし円盤スイッチの工作はなかなか微妙だった。もし切り欠き部分が小さいと、モーターの惰性で円盤が回ってしまい、接点は切り欠き部分を通過してしまい、モーターは止まることなく、周り続ける。もし切り欠き部分が広すぎると、ターゲットを立てる「手」が十分離れることができず、次にターゲットが倒れたときに、ターゲットに干渉し、ターゲットが十分倒れず、モーターが金輪際うごかない。

しかも、切り欠き部分の広さは、モーターのトルク、ギヤの減速比、負荷の大きさによって影響をうける。試運転しながら、いちいち部品をとりはずしては、しんちゅう板を切りなおすのはたいへん。

これなら電子回路のほうがましかもしれない。コンデンサー、可変抵抗、トランジスタ、リレーなどを使うと、多少お金はかかっても、遅延回路ができる。少なくとも調整は簡単だ。可変抵抗器をねじまわしでまわすだけだから。





2013年4月7日日曜日

267.escapement and ratchet 3 エスケープメントとラチェット(3)


2、3年前、らせんの外周にリヤフックを植え、輪護謨を装填して、らせんが回転すると レりーザー(爪)がリヤフックの直前で横殴りに輪護謨をひっぱずす仕掛けのマシンガンを作った。

そのような仕掛けのマシンガンでは、モーターによる銃身の回転は連続的なものである。引き金を緩めたとき、発射と発射の中間で自動的に止まるようにはできていない。引き金を緩めるタイミングは射手が読まなければならない。人間は弾丸が発射される間隔を読んで、発射と発射の中間で止まるように引き金を緩めることができる。(撃つのをやめたのにちょっと遅れて弾丸がぴょんと出ることがある。これはふせげない。ご愛嬌というところ。)

このようなマシンガンで、単射もできるようにしょうとすると、エレクトロニクスの技術が必要だろう。じつは多少勉強しているのだが、死ぬまでに技術が身に付く保障がなかった。

そこで機械的に一回引き金を引けば、1発ぶんの角度だけ銃身が回転するしかけをつくろうと考えた。それでも十分難しく、長い間取りかかる自信がなかった。


 それで取りあえず簡単な試作品を作って、うまくいったら本作品にかかろうと考えた。「困難を分散せよ」というわけである。

らせんをつくるのは大変なので、円盤の周囲にたった6枚しかリヤフックのないものを作った。

リヤフックは回転方向の反対の向きに、「風になびく」ように傾いている。

はずれやすいように傾きを強く、作った。(少しでも工夫することが成功につながるかもしれない、と思っている)


歯車を1歯ずつ、引き金の1往復に応じて動かす機構にはラチェットとエスケープメントがあるわけだが、ワタシはラチェットには自信がなかったので、エスケープメントにした。

写真は位置関係がわかりにくいが、銃の後面である。部品の動きがわかるように(写真をとるのが主目的ではない)、プラバンをつかっている。回転翼式連発銃の回転面を90度変えたものである。(ふつう回転翼式連発銃では、回転翼の回転面は人体をたてに二つに割る平面であるが、これは人間の顔の面に平行な平面である。)
6枚羽根。

引き金は銃の右から左に引くことになる。輪護謨で右へ引っ張っている。引き金レバーの下三分の一くらいのところに窓があり、そこへドライバーを突っ込んで引き金を操作していた。プラバンがこの写真ではわかりにくい。

この試作銃は最後部にパチンコ台を背負ったような形をしており、試作を重ねて、左右の幅は次第にせまくなったが、「Dohda60」にも多少その傾向が残ってる。

 試作銃全体の外観はこんなもの。サランラップの円筒を銃身に使っている。この中に糸ゴムの束がはいっている。

銃の先端に輪ゴムを巻くハンドルが見える。ハンドルを時計と反対方向にまわして糸ゴムをねじる。

銃身と糸ゴムの容器を兼ねたのだが、どうも失敗だったようだ。糸ゴムも少なかったのかも。
結局エスケープメントはうまくいかなかったのであります。この項の結論はそういうことである。

輪ゴムがはずれるほど回転力が強くなかった。レりーザーに輪護謨が引っかかったきりとまってしまった。

それで小児Gはあきらめてしまって、「エスケープメント作戦」はやめ、第2作戦「ラチェット」にきりかえた。別にもうひとつ選択肢があるとき、現在の方針でもう少しねばるより、新しいほうへ行ってしまう。うまくいかないとイヤになるので。