今回と次回は上下方向連発の特許を見ていこう。即ち次弾が初弾の下方に準備されているようなものである。(第n+1弾が第n弾の下方に控えている、とも言える。)以前(第45項)の説明の繰り返しになるが、物差しに何本かの輪ゴムを掛け、上方から順に指で弾いて発射させるようなものである。本物の自動拳銃、サブマシンガン、突撃銃においては、弾倉が銃の下方から差込まれ、弾丸は下から上にあがっていって、最上位で発射される。即ち上下方向連発である。
1962年の特許に、拳銃の最後部に長さの違う6本のピンが後方に向けて突出しており、引き金を1回引くたびに少しずつピンが前方へ移動するというのがある。
即ちピンの突出部が少しずつ短くなり、あるピンが銃の後端から埋没してしまうと、そのピンに掛かっていた輪ゴムが発射するというしかけである。
6連発というわけだ。
引き金を引くたびに少しずつピンが前方へ移動する仕掛けは、「6本のピンが植わった部品の下面がラックになっており、引き金にはこのラックとかみ合う爪がついていて、ラチェット機構によって、ピンが前方に送られる」のだと思われるが、正直のところよくわからない。図をみただけでは、ピンは引き金を引くと逆に後方へすこしずつ移動し、後方へ突出してくるように思われる。
この銃を実現する別のしかけが特許の中に記載されている。
それによると、大きな引き金をゆっくり引いていくと、ピンを植えた部品(2a)がゆっくり前方に動き、短いピンから順番に1発ずつ発射するというもので、ピンを引き込むことにより発射させる意図があきらかである。
だからラチェット機構のほうも、私の語学力がないために理解できないだけで、ピンを前方へ引き込むしかけと思われる。
(オッドクラフトのホームページhttp://win.xrea.jp/ のガンロッカーのNo.17 のP401がこれと似ている。もっともオ社の方が洗練されている。ラチェット機構など手慣れたものである。Hポイント氏は1962年の米国特許とは独立にindependently この機構を考案したと思う。)
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